(408)ドイツ最新ニュースに学ぶ(1)・何故市民はコロナ禍で扇動されるのか?(ZDFズーム『コロナ神話の力・民主主義の危機(1)』)

ドイツ最新ニュースに学ぶ(1)

今年から初心に戻り、ドイツの最新ニュースをブログに載せることで私自身学ぼうと思っています。

 

1)トランプ支持者の国会議事堂襲撃(1月7日ZDFheute)

ドイツ最新ニュースをネットで世界に公開し、誰もが無料で全ての放送を少なくとも2か月に渡って見ることができる公共放送ZDF、その1月7日ニュースは衝撃的であった。

上の動画を見れば明らかなように、トランプ支持者の国会議事堂襲撃は大統領の扇動によることを、トランプの演説などの映像で検証している。

そしてZDFの編集者ジュリア・クラウスは、Qアノン、ネオナチ、プラウドボーイズなどの陰謀論者が先頭に立って襲撃し、それを扇動したのはトランプ自身だと明言していた。

陰謀論メルケルの新年挨拶でも、コロナ禍で勢いを増して来ていることを懸念していたが、何故今拡がって行くかは、下に載せたZDFズーム『コロナ神話(陰謀論)の力』が追求している。

2)ドイツのコロナ制限

ドイツのコロナ感染の第一波は4月末には終息に向かい、その後1日の感染者数は500人前後に抑えられていたが、経済活動が再開されると徐々に増えだし、9月末には2000人を超え、さらに10月末には2万人を超えたことから、、再び11月2日より飲食店や娯楽施設の営業が禁止され、子供たちの保育所や学校が閉鎖され、市民も15キロ以上の外出が禁止されるなど、行動の自由が大きく制限されて来た。

これらの制限措置で爆発的増加は止まったが、以前として1日の感染者数は2万人前後と高止まりしているため、制限措置の延期が打ち出され、事実5日には1月末まで延期を決めている(このニュースで問題となっている学校などの閉鎖は継続されることになった)。

ここでは載せなかったが1月9のニュースでは、政府及びロベルト・ゴッホケン研究所見解は、既に50万人以上のワクチン接種がなされており、ワクチンも十分用意できており、ワクチン接種が徐々に早まるとして、明るい展望を示していた。

日本では緊急事態宣言と言っても余りに中途半端であり、ドイツ感染者の爆発的増大の経過から見れば、これで乗り越えることができるかは大いに危惧される。

 

3)新しい自動車炭素税(1月3日)

ドイツはEUのグリンニューディール政策を牽引することもあって、新年から動画で見るような新しい自動車炭素税を導入した。

ドイツは炭素ゼロの目標を立てるだけでなく、次々と措置を実施し、炭素排出抑制に努力する国民、そして企業が利するようにインセンティブを効かし、確実に炭素ゼロ社会を実現しようとしている。

これに対して日本でも2050年には炭素ゼロの水素社会移行を打ち出しているが、水素製造は石炭からの製造であり(その際出る二酸化炭素は地下貯蔵としているが、このようなやり方はドイツ経済研究所は詳しい研究で困難だと否定している)、実現する青写真やインセンティブに欠けており、京都議定書の約束を反故したように、このままでは目標を打ち上げるだけに留まろう。

それでは、最早トランプなき世界では通用しないだろう。

 

何故市民はコロナ禍で扇動されるのか?(ZDFズーム『コロナ神話(陰謀論)の力・民主主義の危機(1)』)

 

上の動画はZDFズームが2020年7月24日に放送したものであり、コロナ禍で陰謀論がドイツ中で勢いを増し、ドイツの民主主義さえ脅かされるようになり、公共放送として陰謀論の実態を追求せずにはいられなかったからでもある。

陰謀論は人類の誕生以来禍を通して存在し、不条理で複雑な社会になるにつれて、禍の犯人を単純化して、人々を動かす道具として使われて来たと言われている。

中世や近代であれば、禍の犯人は魔女やユダヤ人であり、第二次世界大戦では標的はユダヤ人撲滅のホロコーストであり、トランプ誕生以降の世界では、陰謀論の標的は民主主義と言っても過言ではない。

1月7日のZDFheuteが伝える上に載せた“トランプ支持者の国会議事堂襲撃”では、その歴史的事件がトランプ誕生以来の民主主義の制度や伝統の攻撃を総括するものと述べるように、今や陰謀論のフェイクがツイッターなどを通して世界を駆け回り、民主主義が危機に晒されている。

『コロナ神話(陰謀論)の力・民主主義の危機』では、フイルム制作者のジュリア・レェシュとアルノット・ギンゼルが陰謀論者の表現方法や行動を追求し、多くの政治、ジャーナリズム、そして学識分野の陰謀論専門家の意見を聞き、その真相に迫っている。