(420)ドイツ最新ニュースから学ぶ(13)

中国とのバランスが壊れるとき(ZDFheute4月28日)

 

2年ごとに開かれる中国とのこれまでウィンウィン関係のバランスを保って来た首相会議は、4月28日オンラインで開かれたが、ポストトランプの時代も米中対立激化を受けて、メルケルも執拗に人権問題を持ち出し、ウィンウィンの関係が崩れたことを露呈した。

もっとも既に4月23日の連邦議会で、中国通信機器ファーウェイを対象として、「情報システムセキュリティ強化の2法案」が決議され、使用する部品の技術検査だけでなく、製造業者の信頼性での政治評価がなされることになり、ドイツでのファーウェイ採用に事実上ブレーキがかけられていた。

そうした後での会議であったことから、映像から見る中国首相もぎこちなく、いつもの自信に溢れた表情が陰を潜めていた。

しかし本質的な問題は、香港や少数民族ウイグルなどでの中国の全体主義的独裁支配であり、もしそれらに対して民主的に解決する姿勢があれば、ドイツ、そしてEUも中国とウィンウィンの関係を継続したかった筈である。

気候変動が激化し、コロナ感染が猛威を世界に振るうなかでは、気候正義、社会正義を求める声が高まっており、世界の政治家もそれを無視できない時代に突入している。

 

インドの脅威的コロナ感染(ZDF5月3日)

 

 私が50年ほど前カルカッタインダス川の畔で、死を待つ人が路上で寝起きし、その横で何体もの死体を焼く風景には荘厳さが感じられた。

しかし今映像から見るものには、哀れみを感ぜずにはいられない。

また50年前も、インドでは注文料理を1時間以上待ったり、時刻表にある列車を数時間待つことは日常茶飯事であり、私には絶えず腹立たしく思えたが、当時のインド人は誰もがそんなもんだと述べ、ゆったり生きれることを羨ましくさえ思えた。

しかし50年経った今、そのゆったりさも消えていた。

もっとも今も生きること、死ぬことは神様(ヒンドゥー)のお導きなのか、今も死など恐れていないように見える。

実際感染者発生率1000は、発生率100を超えても脅威と感じるドイツの記者には思考さえ停止させるものなのか、感染者数が2000万人を超えたにもかかわらず、実際はその何十倍と言わせるのだろう。

しかし世界が感染拡大をそのままにすれば、容易に変異を繰り返すコロナウイルスは益々手に追えないものになって行き、人類を滅ぼすこともあり得よう。

だからこそ今、社会正義が叫ばれ、WHOが今年末までの貧困国での20億人分ワクチン接種を唱え、米政府がワクチン特許放棄を提案し、それを欧州だけでなくロシアまでが支持する流れが高まっているのである。

それは、現在を変える“塞翁が馬”とも言えるだろう。