(7)ZDFフィルム「大いなるこけおどしー原発政策の間違った約束」4

今回はエコロジー研究所の経済学者フェリクスが、原発運転期間延長でいかに莫大な利益が巨大電力企業の懐に入るかを明かすところから始まります。ドル箱となっていることから、企業はなんとか2001年の脱原発の協定をなし崩しに失効したいわけです。そのために企業が知恵を絞るところまでです。

http://www.zdf.de/ZDFmediathek/beitrag/video/1090144/Frontal21-Dokumentation-Der-grosse-Bluff#/beitrag/video/1090144/Frontal21-Dokumentation-Der-grosse-Bluff



(ナレーション)
2010年夏、ドイツでは17の原発が操業している。これらの原発の各々は運転される時、毎日およそ100万ユーロの利益をもたらしている。
長期運転は莫大な商売になる。
現在の電力料金で8年間運転が延長されれば、Vattenfallは余分におよそ37億ユーロの利益があり、EnBWはおよそ110億ユーロ、RWEは140億ユーロ、そしてE.ONは216億ユーロである。合わせて500億ユーロを越えている。28年間延長されるならば、原発企業の全利益は2250億ユーロ以上に跳ね上がる。
(フェリクス)
原発運転期間延長はこれまでの操業モデルを変えることなしに、大量の電力製造が巨額の利益を掻き集めることができる一連の保証である。
(ナレーション)
2001年7月1日。赤と緑の政権(シュレーダー政権)は4つの巨大電力企業と脱原発の協定を締結した。EnBW、RWE.北ドイツのHEW、そしてE.ONは、所有する原発を徐々に廃棄することに責任を負った。32年の操業の後で全てを最終的に廃止することになった。
(ウリヒ・ハートマン E.ON代表)
協定は第一歩である。決定は両者が未来に向けて精神誠意を尽くすということである。私たちはそれに対して用意がある。
(ナレーション)
企業は今日、もはやその用意がない。
(ライナー・バンク ドイツ環境団体Deutsch Umwelthilfeの代表)
これは約束違反だ。本物の経営者なら約束を守るべきである。
脱原発は、共同で作り上げる包括的エネルギー合意の構成要素として示されている。
企業は政府同様にこの協定を実現することに、まさに責任を負っている。
(フォルカー・ヘック RWEスポークスマン)
私たちは契約違反などしていない。私たちは、当時協定に調印した。しかし原発は当時も既に、私たちにとって重要な構成要素であることを指摘していた。さらに今は、基本条件が大きく変わっている。
(ナレーション)
今や原発でもって、政治的に要求される気候変動条約を達成することができると、企業は主張する。実際は金儲けが重要なのだと、批判者は言う。
電力経営者は脱原発を、裏をかいて失効させるために知恵を絞っている。
例えばEnBWのネッカーハイムのドイツで二番目に古い原発。廃棄を恐れている。
2009年の選挙少し前に、取り決められていた残余運転期間が尽き果てた。
EnBWにとって問題であり、一つの作戦を練った。



<今回のフィルムで気がついた人もあると思いますが、2001年の脱原発協定では4つの巨大電力企業の一つが北ドイツのHEWとなっています。これは、この協定の直後にHEWがスウェーデン国営企業Vattenfallに買収支配されたからです。
またEnBWはフランスの国営会社FDFに株式の3分の1を持たれ、支配されていると言えるでしょう。
このような弱肉強食の買収劇は1998年の電力の自由化より始まり、現在ではドイツの電力の8割が4つの巨大電力会社に支配されています。
自由化前は法律で各地域に一つの電力会社しか許可されないこともあって、ドイツの各々の地域は電力を地産地消し、電力事業者はドイツ全土で1000社にものぼっていました。
そのような電力会社はまさに地域の要でもあり、しかも当時の電気料金は地域電力会社の創意工夫で、少なくとも日本の半分以下という安さでした。
それが今では、価格の市場支配で日本とそれほど変わりなくなってきており、大半の市民は怒っています。それもZDFがこのようなフィルムを制作する要因でしょう。
それからドイツの巨大電力会社の半分が外国資本に支配されていると聞くと、ドイツもそれほどでもないと思われるかも知れませんが、E.ONやRWEは南欧や東欧の電力会社を支配するだけでなく、英国第二の電力会社も支配し、EUで独り勝ちしていると言っても過言ではありません。
そのように独り勝ちしているにもかかわらず、経済学者のフェりクスが分析するように、28年間の原発運転期間延長で225億ユーロ(約25兆円)も稼ごうとしていたわけです。まさに新自由主義を象徴するとも言えるでしょう。>


(Narration)
In Sommer 2010 sind in Deutschland 17 Kernkraftwerke in Betieb.
Jeder dieser Meiler fährt täglich rund eine Million Euro Gewinn ein, wenn er denn läuft.
Längere Laufzeiten wären ein Milliardengeschaft.
Beim gegenwärtigen Strompreis und bei act Jahren längerer Laufzeit kassiert Vattenfall rund 3.7 Mrd. Euro zusätzlich. EnBW rund 11 Milliarden. RWE rund 14 Milliarden. E.ON 21,6 Milliarden. Zusammen sind das über 50 Milliarden.
Sollten die Laufzeiten um 28 Jahre verlängert werden, könnten die Zusatzprofite der Kernwerksbetreiber auf über 225 Mrd. Euro steigen.
(Felix Matthes)
Laufzeitverlängerung sind der einzige Garant, dass die großen Stromproduzenten ohne Veränderung ihres bisherigen Geschäftsmodells weiter Milliardengewinne scheffeln können.
(Narration)
11. Juni 2001. : Rot-Grün beschließt den Atomausstieg, zusammen mit den großen vier Energiekonzernen. EnBW, RWE, die norddeutsche HEW und E.ON hatten sich verpflichtet, ihre Kernkraftwerke Schritt für Schritt abzuschalten.
Nach insgesamt 32 Betriebsjahren sollten endgültig Schluss sein.
(Urich Hartmann)
Die Vereinbarung ist ein erster Schritt. Entscheidend ist, dass beide Seiten sich auch in Zukunft an ihren Inhalt und Geist gebunden fühlen, ; wir sind dazu bereit.
(Narration)
Vor dieser Bereitschaft wollen die Konzerne heute nicht mehr wissen.
(Rainer Bank)
Das ist ein Wortbruch. Ehrbare Kauflaute handeln anders.
Dieser Ausstieg wurde bezeichnet als Bestandteil eines umfassenden Energiekonzeptes, das noch erarbeitet werden sollte.
Die Konzerne haben sich verpflichtet genauso wie die für Umsetzung dieser Vereinbarung einzutreten.
(Volker Heck)
Wir werden nicht vertragsbrüchig. Wir haben damals die Vereinbarung unterschrieben. Haben damals schon darauf hingewiesen dass für uns die Kernenergie ein wichtiger Bestandteil ist.
Die Rahmenbedingang haben sich massiv verändert.
(Naration)
Nur mit Atomstrom sei der politisch geforderte Klimaschutz zu erreichen, behaupten die Konzerne. Tatsächlich gehe es ihnen um Rendite, entgegnen die Kritiker.
Energiemanager sind erfinderisch, wenn es darum geht, den Atomsausstieg zu unterlaufen.
Beispiel Nackarwestheim 1, ein Kernkraftwerk der EnBW. Dem zweitältesten Atommeiler Deutschlands droht das Aus.
Kurz vor der Bundestagwahl 2009 ist die vereinbarte Restlaufzeit fast verbrauchht. EnBW hat ein Problem und eine Idee.