2014-01-01から1年間の記事一覧

(229)特別提言「ドイツから学ぶアベノミクスの間違いと処方箋」

総選挙を機にアベノミクスの信憑性が国内を二分し、アベノミクスの継続が問われている。 私自身は最初からアベノミクスが如何様であることを、「タイタニック日本のないことを願って」で連載して述べてきた。 実際日銀支配で年間80兆円ほどのお札刷り、国…

(228)ドイツメディアから考える今29・・ZDF『危機にある頭のよい生徒たち3−3』・日本の新自由主義教育(3)

最終回のフィルムでは、ヤネスは教師との話合いで条件付きで進級できるようになった。 まだ成果が出ているわけではないが、自らの将来に向けて精一杯取組もうとする決意が感じられた。 ヤコブは一旦は週末補講で落第を免れようとするが、家庭でも手に追えな…

(227)ドイツメディアから考える今28・・ZDF『危機にある頭のよい生徒たち3−2』・日本の新自由主義教育(2)

フィルムでは才能と家庭に恵まれたヤコブは学校では集中力に欠け、“素晴らしく頭がよいが”のプロジェクトクラスで落第するか、ハウプトシューレへの転向への選択が求められる。 子供の頃秀才で将来が期待されていたフィリップは、母のない鍵っ子家庭環境もあ…

(226)ドイツメディアから考える今27・・ZDF『危機にある頭のよい生徒たち3−1』・日本の新自由主義教育(1)

今回のZDFフィルムの主人公は、才能があるにもかかわらず新自由主義教育の中で挫折を余儀なくされた3人の生徒たちである。 フィルムでもわかるようにドイツの教育は挫折した生徒を絶対に放置せず、落第させるにしろ、ハウプトシューレ(職業学校)に転校…

(225)ドイツメディアから考える今26・・『競争教育に耐えられない生徒たち3−3』・ドイツの新自由主義教育(3)

最終回のフィルムでは、ハンブルクの優等生レアはカウンセリングを受けることで気が楽になり、お洒落な洋服を選んだりダンスを習うことで、慢性的頭痛から解放された表情からは笑みさえ垣間見られる。 また4週間も病院に入院していたボンのイルカは、余りに…

(224)ドイツメディアから考える今25・・『競争教育に耐えられない生徒たち3−2』・ドイツの新自由主義教育(2)

今回は、朝起きられず腹痛を訴える10歳のミアの窮状から始まる。 ミアの母親は最早限界であることを悟り、娘を救う決断を述べる。 病院に入院していた15歳のイルカが家に退院してきて、母親や姉はイルカを気遣い休息を求めるが、遅れを感じているイルカ…

(223)ドイツメディアから考える今24・・『競争教育に耐えられない生徒たち3−1』・ドイツの新自由主義教育(1)

ドイツの公共放送ZDFは2008年放映の『細い肩への重荷(ターボアビでの高校生の酷しい日常)』から今回取り上げた2014年の『競争教育に耐えられない生徒たち』に至るまで一貫して批判的姿勢を貫いている。 このフィルムに登場する3人の女子生徒た…

(222)ドイツメディアから考える今23・・医療の理想を求めて11(最終回)ドイツのホスピスから見えてくる日本再生 

私が暮らしていたベルリンでは、どの地区にも上のフィルムのような患者負担のないホスピスが住宅地に隣接していた。 これらのホスピスは医師抜きの看護師や介護士中心に運営され、周辺に暮らす会社員から裁判官に至る幅広い層の休日を利用したボランティアか…

(221)ドイツメディアから考える今22・・医療の理想を求めて10・『自宅で亡くなること4−4』・私自身の自宅での母の看取り

今回のフィルムは、母親に満足のできる最期を与えることができなかったマーク・カステンの署名運動が知れ渡り、連邦議会に招かれて発言することから始まる。 彼の主張は、不足しているホスピス施設や自宅での緩和ケアを改正された法案に従って早急に整え、亡…

(220)ドイツメディアから考える今21・・医療の理想を求めて9・『自宅で亡くなること4−3』(公共部門への競争原理優先の浸食)

http://www.youtube.com/watch?v=FBEg2c_eB4o&feature=youtu.beケルン大学病院の移動緩和ケアチームの医療が受けられないライン川右側地域で奉仕する社会参加の家庭医たちは、ドイツ自体の高齢化と看取りの活動が知られるようになり、需要の増大で限界に達し…

(219)ドイツメディアから考える今20・・医療の理想を求めて8・『自宅で亡くなること4−2』(最期を悔いなく生きるために)

ARDフィルム『自宅で亡くなること4−2』では、2007年に法案で人生の最期を生きる権利が保証されたにもかかわらず現状は必ずしも実現されておらず、ステファニー女医のような社会参加(アンガージュマン)の家庭医に委ねられている。彼女の自宅で亡く…

(218)ドイツメディアから考える今19・・医療の理想を求めて7・『自宅で亡くなること4−1』(人生の最期を生きる権利)

日本では凡そ9割の人が病院で亡くなっており、最終的には全身にチューブが付けられ胃婁や人工呼吸器による延命の末亡くなることが当り前となっている。 そこでは最早ドイツのように人生の最期を悔いなく生きる権利が希求されていないだけでなく、医療産業に…

(217)ドイツメディアから考える今18・・医療の理想を求めて6・日本の医療に未来はあるか?(4・患者に奉仕する医療転換が日本を救う)

写真はZDFが取材したスイス・シュクオールの病院 『蚊帳の外の患者・病院医師は限界3−3』(19分11秒から最後まで・・下に翻訳)翻訳最終回では、毎年凡そ2600人のドイツ医師が海外に出て行くが、その多くはスイスであるというナレーションから…

(216)ドイツメディアから考える今17・・医療の理想を求めて5・日本の医療に未来はあるか?(3. 起死回生は可能だ!)

『蚊帳の外の患者・病院医師は限界3−2』(9分12秒より19分10秒・・下に翻訳) 診察で患者一人一人を励ます緩和ケア病棟エッケンハルト医長 今回の『蚊帳の外の患者・病院医師は限界3−2』では医師組合連盟の取材から始まり、連盟の最近の病院医師3…

(215)ドイツメディアから考える今16・・医療の理想を求めて4・日本の医療に未来はあるか?(2)

今回はZDFズームで7月2日に放映された『蚊帳の外の患者・・病院医師は限界』の字幕付き動画を載せる予定であったが、ドイツ語版動画がユーチューブに載せられいないからフィルムをダウンロード出来ず、字幕が付けれないのは残念である。 それ以外の最新…

(214)ドイツメディアから考える今15・・医療の理想を求めて3・日本の医療に未来はあるのか?

『患者工場3−3』では、病院が利益追求のため総支出の6割にも及ぶ人権費の節約が求められ、衛生がおろそかにされ、そのために起きた幼児感染という取り返しの出来ない悲劇を追及していく。 またドイツの患者数は年々増加しているが、人権費節約のため病院…

(213)ドイツメディアから考える今14・・医療の理想を求めて2(カテーテル検査が死者を倍増する理由)・『患者工場3−2』

今回のフィルムはZDFが追及した医師契約から始まる。 医師契約では病院の利益追求に暗黙の合意が求められており、特別ボーナスの条項では40の膝手術及び80の背骨手術を条件に40000ユーロが支払われることが明記されていた。 背骨手術で車椅子生…

(212)ドイツメディアから考える今13・・医療の理想を求めて1(ZDFズーム『患者工場3−1』)

昨年の治安維持法の復活にもなりうる秘密保護法案の強引な成立、そして今回の再び戦争を招きかねない憲法解釈よる集団的自衛権の暴挙、さらには原発再稼働の号令がかけられた今、何故医療なのかと言えば、それらの事象の背景には本質的な要因として世界的な…

(211)ドイツメディアから考える今12・・ZDFズーム(動画)が暴く自由貿易の機密(3最終回)・連鎖する財政破綻

最終回フィルムの前半ではロビイストの実態を検証することで、企業が政治に献金し、政治が献金の代償として産業の要請する法案を決議する仕組みを浮き彫りにしている。 この仕組みは以前であれば汚職犯罪であり、EUの根幹をなす政策が献金の代償によるもの…

(210)ドイツメディアから考える今11・・ZDFズーム(動画)が暴く自由貿易の機密(2)・機密の本質トロイの木馬

市民運動のイコン(聖マリア)と呼ばれるロリ・ウォラック弁護士は、目論まれている自由貿易はトロイの木馬であり、「裏口からの素晴らしいEUやアメリカの環境保護規制や消費者保護規制の解体であり、多国籍企業のための権限と特権の新しい制度の構築です…

(209)ドイツメディアから考える今10・・ZDFズーム(動画)が暴く自由貿易の機密(1)・・集団的自衛権閣議決定の暴挙

上の動画『自由貿易の機密3−1』は、ZDFズームが今年5月21日に放映したものである。 EUではアメリカとの自由貿易協定(環大西洋貿易投資パートナーシップ協定TTIP)は、大資本の利益追求に関与する1%の人たちのものであり、99%の市民の民…

(208)ドイツメディアから考える今9・・原発ロビーの逆襲5(何故露骨な逆襲が行われるのか)

上のZDFフロンタール21『ブレーキが踏まれるエネルギー転換』後半が描くように、ドイツの風力や太陽光によるエコ電力を最早原発電力より安くなるまでに発展させてきた再生可能エネルギー法(EEG)支援制度が、6月24日〜27日の連邦議会で葬られ…

(207)ドイツメディアから考える今8・・原発ロビーの逆襲4(ブレーキが踏まれるエネルギー転換)

前回の私自身プロパガンダを確信するNHK制作フィルム『エネルギーの奔流』に見るように、原発ロビーの逆襲が激化していることは明白である。 一言で言えば、これまで世界を支配してきた巨大資本が膨張を通して崩壊危機に陥っているからだ。 すなわち時代…

(206)ドイツメディアから考える今7・・原発ロビーの逆襲(3)・NHKは国家放送になるのか(検証)

急遽予定を変更したことにはわけがある。 何故なら先週NHKオンデマンドでNHKスペシャル『エネルギーの奔流 第1回 膨張する欲望 資源は足りるのか(5月24日放送)第2回 欲望の代償 破局は避けられるか(5月25日放送)』を見て、余りの酷さに驚…

(205)ドイツメディアから考える今6・・原発ロビーの逆襲(2)・新自由主義の産み出すネズミ講モドキ

上のZDFフィルムで見るようにEUのエネルギー政策では、2020年の原発はキロワットあたり4400ユーロであり、素晴らしく安い理由で原発路線なのである。 一方太陽光発電のキロワットあたりの2020年のEU見積は1500ユーロであるが、原発が…

(204)ドイツメディアから考える今5・・原発ロビーの逆襲(1)

ドイツのエネルギー転換は、ZDFフィルム『電気料金のトリック・・誰が支払うのか』で見るように再生可能エネルギー法賦課金の市民負担による電気料金が高騰するにも拘らず、最早止められない勢いで加速していた。 そこでは、エネルギー専門家が巨大電力企…

(203)ドイツメディアから考える今4・・『無数の雄ヒヨコ殺処分(ZDF動画)』が問いかけるもの 後編(富裕層自治体から集団的自衛権)

ZDFフロンタール21『無数の雄ヒヨコ殺処分』の後半では、殺処分される雄ヒヨコを助成金によるプロジェクトでの飼育が紹介される。 実際に飼育している農家のペーター・シューベルトは、消費者は卵1個に3セントから4セント助成することで、現在年間ド…

(202)ドイツメディアから考える今3・・『無数の雄ヒヨコ殺処分(ZDF動画)』が問いかけるもの 前篇

上に載せた2014年4月22日のZDFフロンタール21で放映された『朝食のためのガス処分・・孵化した無数の雄ヒヨコ殺処分』は衝撃的であり、CO2での気絶後の苦しまない殺処分にもかかわらず、ホロコーストのガス室をオーバーラップせずにはいられ…

(201)ドイツメディアから考える今2・・・原発テロと集団的自衛権 後編

後半フィルムで見るようにドイツでも原発の安全性に全ての責任を持つ連邦環境省は、1992年の原発施設に対する武器の安全性テストで、原発推進政策を最優先させていた。何故なら当時のドイツは、東西ドイツ統一以降なだれ込んできた新自由主義にコール政…

(200)ドイツメディアから考える今1・・・原発テロと集団的自衛権 前篇

ドイツの公共放送ZDFのフロンタール21は、3年前3つの原発がメルトダウンした福島原発事故のような悲劇を二度と繰り返さないことを願って、2014年3月11日の番組で『原発施設攻撃目標』(上に載せた動画)を放映した。このフィルムが制作された…