2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

(62)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」 第8回 何故一人勝ちのドイツが悪くなるのか。中編

前回述べたように国際競争力を引き上げることは、国民の恵まれた賃金、雇用形態、社会保障、年金を引き下げることを意味した。 それ故折角実現した国際競争力を、大きな利益が得られたからと言って、利益分配によって再び下げることは有り得ず、利益は一握り…

(61)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」 第7回 何故一人勝ちのドイツが悪くなるのか。前編

もしシュレーダーの推し進めた新自由主義が少しでもドイツ国民に幸せを与えていれば、シュレーダーがどのような豪華な暮らしをしようとも、国民はドイツの国際競争力を引き上げた功績を褒め称え、感謝したであろう。 しかし現実はドイツが世界で一人勝ちする…

(60)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」 第6回 万人の幸せを実現させたドイツ社会が崩壊した理由 後編

シューレダー連立政権が1年後には公約の目標を180度転換し、新自由主義の推進に向かっていた。 それは、シューレダー連立政権が「第3の道」を唱えるイギリスのブレア政権と太いパイプを結び、着々と競争原理を最優先させる「リスボン戦略」の成立に向け…

(59)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」 第5回 万人の幸せを実現させたドイツ社会が崩壊した理由 中編

前回は悲願のドイツ統一を望んだコール政権がアメリカの支援を求めたことから、アメリカ資本が雪崩れ込み、それを契機としてドイツの政治が新自由主義に支配されて行ったことを述べた。 しかし社会的市場経済による万人の幸せを実現した社会が、新自由主義に…

58)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」 第4回 万人の幸せを実現させたドイツ社会が崩壊した理由 前編

戦後のドイツは社会的市場経済を基盤にして、奇跡の産業発展を遂げるだけでなく、競争よりも連帯を求める理想とも言うべき教育を築きあげた。 また農業においても、小規模農家の倒産や環境破壊を招いたECの集約的な農業共通政策を農民と市民が連帯する個別補…

(57)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」 第3回 万人の幸せを実現する教育

ドイツの戦後教育はナチズムを許した反省からなされたが、日本のように最初から民主教育が実施されたわけではなかった。 ナチズムに関与した多くの教員が大学から追放された後は、ナチス以前のワイマール時代の伝統的なエリート教育に回帰した。 すなわち少…

(56)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」第二回万人の幸せを求めて刷新された官僚制度

日本が明治初期に手本としたドイツの官僚政治は、戦前は現在の日本の専制的な官僚政治のように国民に開かれておらず、上から下への徹底した管理統制を通して、不透明な無責任体質の政治がまかり通っていた。 そのような政治が一兆パーセントにも上るハイパー…

(55)「ドイツから学ぶ99パーセントの幸せ」第一回万人の幸せを求めた産業政策

ドイツの戦後は、日本と同様に奇跡の工業発展を遂げた。 しかし日本と異なるのは、戦前の1兆パーセントにも上るハイパーインフレやナチズムを許した国家利益を優先する専制的な官僚制度が、国民利益を優先する民主的な官僚制度に刷新されたことである。 そ…

(54)検証シリーズ10、民主党のハンメルの笛吹きたちは日本を何処へ連れていくのか。

私が妙高を離れている間に、日本のTPP参加が表明された。 これまでの経過からある程度予測されたことであったが、本格的なボトム競争と増税の開始ボタンが押されたことを自覚せざるを得ない。 何故ならTPPは単に貿易関税をゼロに取り払うだけでなく、…

(53)検証シリーズ9、日本の新しいかたちを求めて。第5回(最終回)新しい予算制度、新しい選挙制度で創る新しい社会。

日本の一般会計は2011年予算が92兆円4116億円であるが、実際は各省庁は21種類の特別会計を持ち、総額は国の予算の360兆円を超えている。 この巨大な総額は、国の予算との重複、各省庁間のやり取りなど複雑な仕組みで作られており、実際の国の…