(6)ZDFフィルム「大いなるこけおどしー原発政策の間違った約束」3

今回はヘッセン州の南のビブリス原子力発電所の俯瞰シーンから始まります。
政府の任命した顧問学者や公のエコロジー研究所の経済学者が、次々と政府の原発運転期間の延長政策を論理的に厳しく批判します。
日本では考えられないことですね。何故なのでしょうか?


(ナレーション)
ビブリス。最も古いドイツの原発の一つ。
巨大電力企業RWEの資金源であり、ビブリスは2009年だけで6億ユーロの利益。
フォルカー・ヘッカーはRWEのスポークスマンである。テレビ取材で巨大電力企業の唯一が、原子力産業の計画について述べることに、エッセン市で応じてくれた。
EON,Vattenfall,そしてEnBWは取材拒否である。
RWEの考え方ははっきりしている。原発は消費者、経済、そして気候変動に対して善であり、原発運転期間延長は必要不可欠である。
(フォルカー・ヘッカー)
ドイツの原発は安定した競争力の基盤、すなわち絶え間なく製造される電力を提供し、産業立地の確かな供給を実現する。
もし私たちがお客に尋ねるなら、価格の正当性がテーマとして最上位である。原発は電力料金を安定し続けるために必要である。
(ナレーション)
ベルリン。政府地区。
オラーフ・ホマイヤー教授は、メルケル首相によって任命された環境問題の公の政府顧問である。この経済学者は何年にも渡ってドイツの未来エネルギーを研究してきた。
そしてオラーフ教授と環境事務局(SRU)は、脱原発が実現可能であることを立証した。
オラーフ教授は政府の原発進路が間違っていると考えている。
(オラーフ教授)
脱原発からの下車は、明らかに巨大電力企業に長期に渡って好意を約束したものである。
それは内容的に全く馬鹿げており、エネルギー政策的に全く間違った決定である。
私たちは脱原発を、さらに徹底して実現していかなければならない。
(ナレーション ZDFフィルム製作者からの質問)
運転期間延長は消費者に特に便宜がありますか?
(オラーフ教授)
ない。原発の長期運転は必然的により高い収益をもたらす。しかし必然的に安い電力料金にはならない。
(ナレーション)
理由は、ビブリスのような原発は確かに電力をキロワット時約2セントで製造するが、その便益はお客には達しない。
何故なら電力価格は市場で投機される。操作と投機によってより高くなるからだ。
消費者への結論は、原発が延長して運転されようが、されまいが、それは電力料金に全く反映されないということである。
(フェリックス・マテス エコロジー研究所の経済学者)
私たちは2007年にドイツの原発の半分が、安全点検とメインテナンスから電力を供給出来ない事態に追い込まれた。しかし市場はそれに対して全く反応しなかったことを見てきた。
そのことからして、原発運転期間の延長で電力料金が下がるという期待は、全くの神話である。
(ナレーション)
フェリックス・マテスは、巨大電力企業が全部でどのくらいの大金が手に入るかを正確に計算した。


<ドイツでは政府の任命した学者でも国民への奉仕が最優先されることから、結果として政府の方針を批判することは珍しくなく、罷免などは考えられないことです。またドイツの官僚制度も日本のような稟議制が取られていないことから、担当者が最善を尽くして事にあたり、たとえそれが政府の方針と異なったとしても問われることはありません。むしろ政府こそ考え直すべきというのが、ドイツのポリシーです。もちろん事があれば、担当者の責任が厳しく問われます。
日本の場合は大本営、そして戦後の護送船団方式に見られるように全体服従と連帯責任が求められ、絶対に起きないと断言してきた悲惨な原発事故が起きても、誰一人責任を取らなくってもいいわけです。
このような理不尽は、議会民主主義を創設時から勅令によって無視してきた明治の官僚支配による専制政府が、戦後も上辺とは異なり、様々な形で継続されているからに他なりません。この辺についてはドイツと比較して追々述べていきたいと思います。>


(Narration)
Biblis, eines der ältesten Kernkraftwerke Deutschlands.
Eine Geldquelle für den Energiekonzern RWE.
Allein 2009 : 600 Mio. Euro Gewinn.
Volker Heck ist RWE-Sprecher.
Einzig der Stromkonzern aus Essen ist bereit, sich vor der Kamera zu den Plänen der Atomwirtschaft zu äußern.
Keine Interviews von E.ON, Vattenfall, und EnBW.
Die Position von RWE eindeutig: Kernenergie sei gut für Verbraucher, Wirtschaft und Klima.Eine Laufzeitverlängerung notwendig.
(Volker)
Deutsche Kernkraftwerke sorgen für eine stabile wettbewerbsfähige Grundlast,
Strom, der rund um die Uhr produziert wird. Und damit auch für eine sichere Vorsorgung des Indestriestandorts.
Wenn wir unsere Kunden fragen, ist für die das Thema Preiswürdigkeit ganz weit oben. Die Kernenergie sorgt dafür, dass die Preise stabil bleiben.
(Narration)
Berlin, Regierungsviertel
Professor Olauf Hohmyer ist offizieller Ratgeber der Bundesregierung für Umweltfragen, berufen von Bundeskanzlerin Angela Merkel.
Der Ökonom erforscht seit Jahren Deutschlands Energiezukunft. Er und der Sachverständigenrät haben nachgewiesen: Der Atomausstieg ist machbar.
Den Atomkurs der Regierung hält er für falsch.
(Olauv)
Der Ausstieg aus dem Ausstieg ist offensichtlich ein Gefallen, den man vor langer Zeit großen Energiekonzernen versprochen hat. Er hat inhaltlich keinen Sinn.
Das ist im Moment die völlig falsche Entscheidung energiepolitisch.
Wir müssen den Ausstieg aus der Kernenergie weiter durchziehen.
(Narration)
Nutzt die Laufzeitverlängerung überhaupt dem Verbraucher?
(Olauv)
Nein, längere Laufzeiten für Kernkraftwerke bringen zwangsläufig höhere Gewinne, aber nicht zwangsläufig niedrigere Strompreise.
(Narration)
Der Grund: Kernkraftwerke wie Biblis stellen Storom zwar billig her, für rund 2 Cent die Kilowattstunde. Doch das kommt beim Kunden nicht an.
Denn der Strompreis wird an der Börse gemacht. Da wird er durch Handel und Spekulation teurer.
Die Folge für dem Verbraucher: Ob Atommeiler laufen oder nicht, für die Storomrechnung spielt das so gut wie keine Rolle.
(Felix Matthes)
Wir haben in Jahr 2007 eine Situation gehabt, wo fast die Hälfte der deutschen Kernkraftwerke nicht am Netz waren. Aus Sicherheitsgründen, aus Wartungsgründen.
Wir haben auf den Strommärkten keine Reaktion gesehen. Die Hoffnung auf sinkende Strompreise durch Laufzeitverlägerungen gehört zu den großen Mythen der Debatte.
(Narration)
Felix Mattes hat genau berechnet, wie viel Geld eine Laufzeitverlängerung den Energiekonzernen zusätzlich in ihre Kasse spült.