(5)ZDFフィルム「大いなるこけおどしー原発政策の間違った約束」2

いよいよフィルムが始まります。夏の暑い時期の放送ですから、老舗のビール醸造の現場からスタートです。ドイツのビールは多種多様で美味しく、驚くほど安い。(500ミリのディポジットプラスチック入りが一般的で、スパーで買えば40円ぐらい。たとえ途中で半分残しても密栓できるので、翌日飲んでも美味しい)
安いビールゆえにビール醸造の経営者は苦しく、過激な電力料金の値上がりに怒り、激しく電力会社を非難しています。そして政治家は電力料金の値上がりを食い止めるためには、原発運転期間の延長が必要であると捲くし立てます。果たして本当なのでしょうか?


(ナレーション)
ビール。ドイツ人が最も好む飲物。
よく冷えたヘーレゴールドも最高に美味しい。ゴットフリード・ヘーレ氏はアルゲェウ地方で4代に渡って成功して、中規模の醸造業を経営している。
今まさに夏。ビールはつねによく冷えていなければならない。ゼロ度が理想である。それは多量の電力を必要とする。そして電力は益々高くなっている。
(ゴットフリード・ヘーレ)
電力料金は私たちのところでは2002年から2007年の間に120パーセント以上値上がっている。すなわちそれは2倍以上である。それが財布を底にしいている。電力巨大企業が整然とお金を手に入れているからだ。
(ナレーション)
ビオサイダー「ゼーツェングレ」ーそのビール会社の最も新しい自慢商品。
ヘーレ氏は醸造業で困難を乗り越えるために、一生懸命算盤をはじかなければならない。彼の会社の電力供給会社はより簡単だ、彼は電力巨大企業が意のままに価格をしていることを怒っている。
(ゴットフリード・ヘーレ)
2007年は頭にきた。だからEnBW社に契約破棄を通知し、もう止めだと言ってやった。そして他の電力配給会社に乗り換えた。
(ナレーション)
2009年9月27日。選挙の勝利者は祝っていた。彼らは電力料金がもっと安くなる、しかしそのために原発は長期に運転すべきと公約した。
今や黒(キリスト教民主同盟CDU、CSU)と黄色(自由民主党FDP)の連立政権である。そして選挙公約「赤(社会民主同盟SPD)と緑(緑の党)の脱原発からの下車」が実現される。
政権の行動は抗議を伴う。キリスト教民主同盟自由民主党脱原発計画を封印する。
原発は突然再び未来を持った。脱原発政策の転換。
(グイド・ウエスタベレ外務大臣FDPの議会発言)
ドイツは原発から下車する。それは電力価格を上へ押し上げ、研究を放棄する。それは環境にも悪い。経済にも悪い。そして家庭に高い価格を持ち込むことは反社会的である。
(ボルカー・カウダーCDU議員団代表の議会発言の議会発言)
私たちは電力価格がさらに上がり、それが贅沢なものになることを、そして個人が電力を相応しい安い価格で手にはいらないことを望まない。
メルケル首相の議会発言)
私たちは原発運転期間の延長を望む。何故なら原発は安全であり、私たちは原発を必要とするからだ。<今回は原発の運転期間を延長すれば、電力価格が安くなると捲くし立てるところまで。それから翻訳してみると、2009年の選挙で原発運転期間の延長を公約していたと述べており、(1)で公約していなかったと書いたことを訂正します。しかしこの選挙の時ベルりンで暮らしていましたが、選挙の争点になっていなかったことは確かです。選挙前にはSPDのかつての看板女史のウララ・シュミト厚生大臣がフランスでの休暇を公用と組み合わせ政府飛行機を使用したことで、国民から激しくバッシングされていました。またSPD首相候補シュタイン・マイヤーのポスターが剥がされたり、落書きなどが目立ち、女性に赤いバラを配って媚をうろうとしましたが、結党以来の惨敗でした。何故ならシュレダー政権以来新自由主義を推し進めてきたSPDに、ドイツ産業がEUでひとり勝ちするほど利益を上げているにもかかわらず、ドイツ市民の8人に1人が相対貧困者になるほど市民の暮らしの悪化で、裏切られたという市民の思いが集中したからです>


(Narration)
Bier : der Deutschenlibstes Getränk.
Auch Härle Gold schmeckt am besten schön gekühlt.
Gottfried Härle führt die mittelständisch Brauerei im Allgäu in vierter Generation ; mit Erfolg.
Gerade im Sommer muss das Bier immer schön gekühlt sein. Null Grad sind ideal : das braucht viel Strom und der wird immer teurer.
(Gottfried)
Zwischen 2002 und 2007 ist bei uns der Strompreis um über 120% gestiegen.
D.h. er hat sich mehr als verdoppelt. Das geht an den Geldbeutel. Da haben die Energiekonzern ordentlich zugelangt.
(Narration)
Die Biobruse Seezüngle : neueste Spezialität der Brauerei.
Härle muss scharf kalkulieren, um mit der Brauerei über die Runden zu kommen.
Sein Storomversorger EnBW habe es da einfacher. Er ärgert sich, dass die Konzerne Preise machen, wie sie wollen.
(Gottfried)
2007 ist mir der Kragen gepltzt. Da habe ich bei der EnBW gekündigt und gesagt, so geht’s nicht weiter. Und bin auf einen anderen Stromanbieter umgestiegen.
(Narration)
27.September 2009, die Wahlsieger feiern. Sie versprechen ; Storom wird günstiger. Dafür aber sollen Atomkraftwerke länger laufen.
Schwarz-Gelb ist jetzt an der Macht. Und will ein Wahlversprechen wahrmachen : Den Ausstieg aus dem rot-grünen Atom-Ausstieg.
Die Koalitionsverhandlungen begleitet von Protesten. Union und FDP besiegeln ihre Pläne. Kernkraft hat plötzlich wieder Zukunft.
Die Wende in der Atompolitik.
(Guido Westerwelle)
In Deutschland steigen wir aus, Das treibt die Preise nach oben, ist schlecht für die Umwelt, schlecht für die Wirtschaft. Und ist unsozial für die, die hohe Preise zu tragen haben zuhause.
(Volker Kauder)
Wir wollen nicht, dass die Strompreise so weitersteigen. Dass sie zu einem Luxusgut werden und der Einzelne sich nicht mehr entsprechend Kostengünstig versorgen kann mit Energie.
(Angela Merkel)
Wir wollen die Laufzeit der Kernkraftwerke verlängern, weil sie sicher sind und wir das brauchen.