(20)ZDF「大いなるこけおどしー原発政策の間違った約束」16

今回は風力発電の製造工場の見学から始まります。
そして政府環境事務局によって、エネルギー政策の2050年までの最終目標が披露されます。

フィルムスタート(35分7秒から37分2秒:43分54秒中)


(ナレーション)
ブランデンブルク州のラウフハマー市の巨大風力プロペラ製造所において。
ここではエネルギー転換に向けて働いている。
政府環境事務局の政府顧問でもあるオラフ・マイヤー教授が、製造現場を案内される。
およそ1600のロタープロペラが毎年工場を出て行く。
それは500機の風力発電基に達し、原発一基の出力に相応する。
(フランク・バイゼ ベスタス社の工場案内人)
私たちの需要は巨大であり、潜在能力は需要よりさらに大きいと考えています。
さらに発展することは確実です。
(ナレーション)
それは将来の安定した職場を意味している。
ラウフハマー市だけで530人の雇用がある。
ドイツ製のロタープロペラは世界的に引き合いがある。
ベスタス社はまさに今新しい製造施設に数百万ユーロ投資し、出力能力のある風力発電基を建設しようとしている。
(フランク・バイゼ)
製造、場所、地域、そして技術への巨大な投資です。
(ナレーション)
ここでは、ロタープロペラによるエネルギー転換と呼んでいる。
政府の環境省環境事務局は以下のように見積もっている。
将来のドイツは風力、太陽光、そして水力だけで電力を供給できる。
現在ドイツは年間およそ580兆ワット時間の電力を必要としている。
2009年の原発は、その内ちょうど150兆ワット時間の電力を発電している。
脱原発政策が維持されれば、電力製造の原発の割合は遅くとも2030年までにゼロになる。
そこからは専門家も言うように、ドイツは最早原発を必要としない。
石炭や天然ガスの電力に対しては、再生可能エネルギーが増加してくる。
すなわち再生可能エネルギーは省エネ技術もフルに利用して、2050年までに単独でドイツの電力を賄うことが可能である。


<風力発電は、私も10年近く前探索したことがありました。ブレーメン市から北へ2時間ほど電車で行ったノルドレーダ村のウインドファームは、70メートルを超える50基ほどの風力発電機が立ち並ぶ数ヘクタールの農場で、予想外に牧歌的で、放牧されていた牛たちが時々雄叫び上げるくらいで、野うさぎたちがピョンピョン飛び跳ねていました。
訪れた村役場の若いブリュガーマイスター(村長)は、都会の市民ファンドでこのウインドファームが建設され、近郊の2万世帯ほどの電力を賄うことで約10年で借金が返済できること、そしてその後は貧しい村も豊かになると、目を輝かせていました。
この時ドイツでは既に2000億円を超える成長産業でしたから、それからさらに飛躍的に成長を続けていることから、このフィルムが物語るように地域の雇用、地域産業の要として欠かせないものとなっています。
そして専門家が集まる環境事務局(環境省)は厖大な資料調査から、2050年までに風力発電太陽光発電、そして水力発電からなる再生エネルギーだけでドイツの電力を賄うことができると、最終目標を掲げています。
このように専門家が集い、政治に左右されることなく一つ一つの事実に基づき、結論もしくは目標を組み立てていくやり方は理想的です。
しかも書類は常に公開されていることから、適正な世論形成にも役立ち、目先の組織利益で動こうとする政党政府や産業界も最終的には従わざるを得ません。
これに較べて日本は戦前も戦後も、エリート官僚たちが統率し、長期的な展望や最終目標もなく、国民の利益よりも組織の利益を最優先させてきたことは明白です。
そのような事実を、8月15日にNHKで放映した「日本人はなぜ戦争へと向かったのかー戦中編ー果てしなき戦線拡大の悲劇」はものの見事に描いていました。
私は見逃しオンデマンドで2日遅れで見ましたが、こうしたフィルムをすぐさま誰でも無料で見れるようにリンクできるサイトがあるのは、まだまだ日本も捨てたものではないですね。
現在起きている福島原発事故、そして負債額1000兆円にも達しようとする日本の財政は、長期計画不在、甘い都合のよい想定、そして難題は先送りで、国民の利益より利権絡みで組織の利益を優先してきたからに他ならず、まさに大本営の過ちそのままです。

それから少し長くなりましたが、コメントの返事で麻薬の売人に黒人が多いのは、アフリカでは麻薬が昔から嗜好品として愛好されてきたことと、大半の黒人はドイツ語が喋れず職も見つからないため、ポルトガルやイタリアなどを通して運ばれる、稼ぎのよい麻薬の密売に手を出すわけです。
ドイツで市民から最も愛されているベルリン市長ヴォーヴェライトは、取締り強化だけでは麻薬撲滅はできないと考えており、このような人たちを無料で、行き届いた親身な指導の言語教育や職業教育で打開しようとしています。
ヴォヴェ(愛称)は2001年に市長に選出された際、「私はゲイであることを誇りにしています」と述べたことで、敬虔なクリスチャンに激しい反発に会いました。
しかし2005年の2期目の選出(現在は3期目)では、クリスチャンの人たちが熱狂的な支援者でした。
それはヴォヴェが休暇も返上して、ひたすら市民のために尽くしてきたからに他なりません。
彼は親の離婚のため貧しい母子家庭で育ちましたが、戦後の親の経済状態に左右されない民主教育制度によってベルリン自由大学の大学院にまで学ぶことができ、学者でさえあります。
そのような経緯を自叙伝『--und das ist auch gut so(ゲイもよいことです)』で語っており、市民政治のために身を捧げたいと結んでいます。
日本では考えられないことですが、彼は日本の無責任な政治家とは違い、この10年間でベルリンの財政赤字を克服し、ベルリンの世界の教育都市、そして多民族文化都市としての長期計画を一歩一歩着実に実現しています。>



(Naration)
Lauchhammer in Brandenburg, bei einem großen Windradhersteller.
Hier arbeiten sie an der Energiewende.
Professor Hohmeyer Olarv, der Sachverständige der Regierung, lässt sich die Produktion zeigen.
Rund 1600 Rotorblätter verlassen jahlich das Werk.
Das reicht für gut 500 Windenergielagen.
Deren Strom entspricht der Leistung eines ganzen Kernkraftwerks.
(Frank Weise)
Wir sehen, die Nachfrage ist riesig.
Das Potenzial ist noch größer als die Nachfrage.
Es ist weiter wachsen.
(Naration)
Das bedeutet auch zukunftssichere Arbeitsplätze.
Allein in Lauchhammer sind es 530.
Rotorblätter “made in Germany” sind weltweit gefragt.
Die Firma Vestas investiert gerade Millionen in neue Produktionsanlagen, will noch leistungsfähigere Windräder bauen.
(Frankweise-Vestas Deutschland)
Riesige Investitionen in die Fertigung in den Standort, in die Region und in die Technologie Energiewende durch Rotorblätter heißt es hier.
(Naration)
Der Sachverstädigenrat der Bundesregierung hat ausgerechnet: Wind, Sonne und Wasser können Deutschland in Zukunft mit Strom versorgen.
Der Zeit braucht Deutschland pro Jahr rund 580 Terawattstunden Strom.
2009 produzierten Kernkraftwerke davon gerade 150.
Bleibt es beim Ausstieg aus der Kernenergie, fällt ihr Anteil an der Stromerzeugung bis spätestens 2030 auf Null Ab dann, so die Expaten, braucht Deutschland keinen Atomstrom mehr.
Zu Strom aus Kohle und Gas kommen zunehmend regenerativ Energie.
Die könnten zusammen mit modernen Stromspartechniken bis 2050 ganz Deutschland versorgen.