(328)時代の終わりに(12)・核戦争を起こさないために(1) 直近のドイツニュースに見る予兆4(北朝鮮の脅威・バルセロナのテロ)・戦争を警鐘する国内報道1(731部隊の真実)

直近のドイツニュースに見る予兆4(北朝鮮の脅威・バルセロナのテロ)

“炎と憤怒”というトランプの威嚇発言は世界を震撼させ、ドイツZDFニュースも核戦争勃発の危機を警鐘している。
また翌日の子供ニュース「logo!」でも、世界は如何に危ない薄氷を踏んでいるかが伺える。
もし北朝鮮が従来の脅迫のチキンレースで、グアムに向けて弾道ミサイルを強行すれば、アメリカの核開発完成前の攻撃を支持する世論調査から見ても、“炎と憤怒”が実行される確率は高い。
しかし既に述べたように、アメリカやロシアの核兵器専門家が言うように、少なくとも60発の核を所有する北朝鮮の核開発は完成されている(現在は量産体制にある)。
それ故元国防長官ウィリアム・ペリーが強調するように、外交手段しか残されていない。
もしトランプがそれを無視してボタンを押せば、既に実質的には人質となっている韓国や日本も無傷では有り得ないだろう。
それどころか全体で数十発の核が炸裂すれば、地球は「核の冬」を迎え、人類が滅びることさえ覚悟しなければならないだろう。

バルセロナの無差別テロ

特筆すべきは、子供ニュース「logo!」が2時間前に起きたバルセロナでのテロを報道し、テロは恐怖と不安で市民を分断するものだと主張していることだ。
そこにはどのような理由があるにしろ、テロは絶対に容認できないというかたい決意が感じられる。
しかも最近のジハードと称するテロは恐るべき無差別テロへと変化し、今回のテロではワゴン車が老若男女が賑わう中を暴走し、数百人を引き殺したり、負傷を負わせている。
また下に載せた私の見た動画29『ダッカテロ事件から1年』では、その場の生命を乞う日本人全てを容赦なく笑いながら殺しており、掟の絶対視によって人間性ヒューマニズム)が全否定されている。
そのような無差別テロの脅威が、ISが勢力を激減するにもかかわらず、世界各地で激増していることは恐ろしいことである。
さらに恐ろしいのは、北朝鮮によって量産された核兵器弾道ミサイルが、闇市場でこのようなテロ集団に売られることである。
核兵器がテロ集団の手に入れば、最近の人間性が全否定される無差別テロから見て、躊躇なく使用が考えられるからだ。
もっともそのような無差別テロを生み出す背景には、国際社会が表向きは不正を厳しく正そうとするが(ハネケ映画『白いリボン』のように)、実際は格差拡大から武器輸出の増大に至るまで、自国の国益を最優先して目を瞑っている現実がある。
そして北朝鮮の脅威では、アメとムチのあらゆる制裁措置で北朝鮮の核開発中止が目指されている。
しかしそのようなアメとムチでは、子供の目から見ても核開発中止を実現することは不可能である。
何故なら独裁国家にとって核開発を放棄することは、カダフィーのリビアのように崩壊を意味するからだ。
それ故国際社会は現在の北朝鮮の脅威を、現在のように小手先で解決しようとするのではなく、これを契機として本質的な解決を目指さなくてはならない。
もし現在のように小手先の解決に終始するなら、人類の未来はないだろう。


戦争を警鐘する国内報道1(731部隊の真実)

公共放送NHKが時の政権によって支配され、政治部が政権に取り込まれ、政治問題や社会問題を扱った番組が激減するなかで、恐らく制裁覚悟でこのよう番組が制作されたことは賞賛されるべきである。
そこには、公共放送NHKが戦争の過ちを二度と繰り返してはならないと訴えてきた魂が感じられた。
本来であれば、逸速く日本へ逃げ帰ってきた医学者や責任者たちはアメリカからデータと引き換えに罪が免罪されても、日本の法の下で裁かれるべきであった。
しかし日本の司法は戦後も法務省に全面的に支配され、政府に都合悪いことに対しては殆ど機能しなかったと言えるだろう。
もし日本の司法がドイツのように法務省から完全に独立し、731部隊だけでなく戦争犯罪を自ら裁いていれば、水俣公害やエイズ薬害を最小限にくい止め、国家負債肥大を通して、海外進出強化で再び戦争の道が取られようとすることもなかったろう。
そして今求められることは、行政から完全に独立した司法、自由に批判できる公共放送への180度転換である。
それは沖縄基地問題を解消することでもあり、現在のような世界危機に率先して平和を創出することでもある。