(303)世界の官僚奉仕を求めて第13回官僚奉仕の切札は太陽(8)蘇る日本帝国主義(『私の見た動画シリーズ5』)

前回述べたように、豊洲問題が露見した責任なき不透明な都政の原因は、まさにこの国が明治にドイツを手本にした官僚制に他なりません。
大久保利通使節団がドイツに学んだ理由は、欧米列強の侵略脅威が迫る中で、出遅れた新興国ドイツが大国オーストリアやフランスの戦争で勝利していたからであり、鉄血宰相ビスマルクの「力こそ正義」という強国建設の進言を受けて、帰国後富国強兵、殖産興業を掲げて官僚独裁政府を創設した時から日本帝国主義が始まったと言えるでしょう。
そこでは上の動画に見るように先ず国家によって莫大な税金が投じられ、殖産興業が軌道に乗るや否や、民間に恐ろしく安く払い下げられることで御用商人たちを財閥企業へと成長させて行きました。
すなわち官僚政府と御用商人との癒着を通して利権構造が生み出され、それを原動力にすることで日本は近代産業を急速に発展し、強国建設を実現して行ったと言えるでしょう。
そのように短期に実現する理由は、官僚政府が民意を求める議会決議に依拠せず、責任の所在のない匿名の政令によって国益を最優先して、富国強兵、殖産興業を推進したからに他なりません。
しかも一旦出された政令は下へ下へと利権が拡がっていくことから、政令を出した官僚政府さえ止める手段がないと言えるでしょう。
そのようにして肥大して行った利権構造が産業を巨大化させることで必然的に生産過剰による不況に至り、あくなき利権を求めて海外へと侵略して行ったことは、上の動画後半の官僚や企業家の証言からも明らかです。
それは常軌を逸した無謀な戦争への突入であり、負けるべくして負け、日本帝国主義は終止符を打ちました。
ドイツはそのような終止符へと導いた官僚制を、司法の完全な行政からの独立で、国益のための官僚支配から国民のための官僚奉仕へと変えました。
しかし日本では戦後もドイツから学んだ官僚支配が温存され、巨大に肥大した日本産業は特定秘密法や安全保証法の制定を実現させ、平和憲法憲法改正で葬り、再び日本帝国主義を蘇らせようとしていると言えるでしょう。
悲惨な戦争の悲劇を繰り返さないためには、過去の過ちとその原因を太陽にかざし、ドイツのように官僚奉仕国家へと変えて行かなくてはならないと切に思います。