(16)ZDF「大いなるこけおどしー原発政策の間違った約束」12

今回は、2009年まで連邦原子炉安全局の局長だったヴォルフガング・レネベルクの原子炉の危険性の証言から始まります。後半はテロ攻撃について述べています。
43分54秒フィルムの27分14秒から29分45秒まで。

http://www.zdf.de/ZDFmediathek/beitrag/video/1090144/Frontal21-Dokumentation-Der-grosse-Bluff#/beitrag/video/1090144/Frontal21-Dokumentation-Der-grosse-Bluff

(ナレーション)
ヴォルフガング・レネベルクは2009年まで連邦原子炉安全局の局長だった。
彼の安心できない結論によれば、数年来原発事故は増加している。
(ヴォルフガング)
グラフの下の領域が新しい原発であり、上の領域が古い原発である。明らかに古い原発では、実質的により多くの事故があり、事故の数が増加していることがわかる。
ドイツの最も古い原発ビブリスは、35年前に電力を供給し始めた。本質的にはA棟は今年停止されるべきである。
何故ならA棟は科学的、そして技術的安全基準に、もはや相応しくないからである。
RWAの見解は、ビブリスを継続して運転することは全く問題がない。
(フォルカー RWAスポークスマン)
いかなる古い原発も、そのつど全く新しい原発のようにすることはできない。
しかしながら古い原発を追加整備によって非の打ち所がない許可技術水準にし、安全に保つことはできる。
(ナレーション)
批判者はその点を攻撃する。ビブリスにおいては、大事故に対して近代的設計と特別の危機管理が広範囲に必要不可欠である。これらが全く、技術的にも、経済的にもうまくいってない。
(ヴォルフガング)
私は安全性の理由から、古い原発を設定された期間以上運転することは、無責任だと思っている。
(ナレーション)
原発は構造上無力であるテロ攻撃の危機に脅えている。
今日では最初テロリストたちが、9月11日にニューヨークそばの原発に照準を合わせていたことはよく知られている。
ドイツ政府は2002年に、空からの可能性のあるテロ攻撃の問題点を調査させた。
ブルンスベェテル、ビブリスA、フィリプスブルク1、アイザール1の原発は非常に危険である。またビブリスB、ウンターベーゼル、グルンドレミンゲンBとC、クレメール原発も同様である。
それらの鉄筋コンクリートの防御壁は、大きな飛行機の標的攻撃に無力で、制御できない。


<ニューヨークテロが最初原発を攻撃目標にしていたことは、日本では殆ど知られていないのではないでしょうか。
都合の悪いことは、例えばトロントG20での金融投機税導入の激しい日本の反対など、書けない暗黙の合意でもあるのでしょうか。
それにしてもこのフィルムに登場するドイツの役人たちは、政府方針に逆らってもはっきりと自分の意見を言いますね。そうした土壌こそ素晴らしいことです。
日本の行政では、担当者、係長、課長、局長と全員の承認印を必要とすることから(稟議制)、絶対にこのような発言はありません。
もし逆らって自分の意見を述べるなら、元厚生省官僚宮本政於の『お役所の掟』で述べられているように、彼自身が受けた厳しいお仕置きがあるわけです。
本当に見事な連帯です!
しかしドイツではこのような行為は連帯(ゾリダリテート)とは呼びません。まさに全体強制、無責任の何者でもありません。
ドイツでは1960年からの教育改革で、ヘルムート・ベッカー教授提唱の「競争より連帯を育む教育」が実践されてきました。
もっともドイツの理想を追求する教育も、2000年以降新自由主義の影響で大きく変化しました。
例えばターボアビ(それまで大学進学者は4年間の小学校終了後、高校卒業試験まで9年間でしたが、8年間に短縮)、統一アビ(高校卒業試験はそれまで各学校の裁量でしたが、州の統一試験)など、競争教育が激化してきました。
しかしそのような教育の変化に批判も強く、政府関与の2006年ドイツ教育コンテストでは、連帯を求める授業を実践しているイェーナプラン総合学校が教育最優秀賞を受賞しました。
この学校では、多くの授業で学年枠のない20人ほどのグループ授業が実践されています。教師はアドバイスだけに徹しますが、様々な創意工夫で支援します。
そしてグループ全員の理解が求められていることから、能力ある生徒が理解力のない生徒を教えるという、助け合いと学び合いが実践されています。
その結果生徒間の格差が小さいだけでなく、統一アビトウ試験の成績も優秀です。
それは生徒自身が述べていますが、落ちこぼれがなく、競争教育によるプレシャーやストレスもなく、愉快に学びあうことでモチベーションも高まるからです。
現在の自己責任を求める日本の競争教育では、能力のある生徒が能力のない生徒の犠牲になると言って、とても受け入れる土壌にはないでしょうが。
大学を出ても益々職がなくなる時代に突入してきたことを契機に、本当の連帯が求めれるように教育の再考を望みたいものです。>


(Naration)
Wolfgang Renneberg war bis Ende 2009 Abteilungsleiter Reaktorsicherheit der Bundesregierung.
Sein wenig beruhigendes Fazit: Seit Jahren steigt die Anzahl der Störfall.
(Wolfgang)
Sie sehen im unteren Bereich die neueren Anlagen, im oberen Bereich die ärteren. Deutlich er kennbar, dass es wesentlich mehr Vorkommnise bei den älteren Anlagen gibt. Und dass die Zahl der Vorkommnisse zunimmt.
(Naration)
Biblis, das älteste deutsche Kernkraftwerk ging vor 35 Jahren aus Net.
Eigentlich sollte Block A in diesem Jahr abgeschaltet werden.
Denn er entspricht längst nicht mehr dem Stand von Wissenschaft und Technik.
Für RWE kein Problem; Biblis soll weiterlaufen.
(Volker)
Kein Kraftwerk kann als älteste Kernkraftwerk jeweils gut sein wie ein ganz neues.
Man kann aber dafür sorgen, dass ältere Kraftwerke durch Nachrüstungsmaßnahmen einen einwandfreien genehmigungstechnischen Stand haben und sicher sind.
(Naration)
Kritiker bestreiten das.
In Biblis wären umfangreiche erforderlich.
Ein modernes Sicherheitsdesign und eine externe Notwarte für den Katastrophenfall. All dies: technisch und finanziell kaum leisten.
(Wolfgang)
Ich halte das aus Sicherheitsgründe für nicht verantwortbar, die älteren Anlage über die festgelegten Laufzeiten zu betreiben.
(Naration)
Kernkraftwerken drohen neue Risken, die beim Bau keine Rolle spielten: Terroangriffe.
Heute ist bekannt: Attentäter vom 11. September hatten, ursprünglich einen Atomreaktor bei New York im Visier.
In Deutschland ließ die Regierung 2002 die Folgen möglicher Terroanschläge aus der Luft untersuchen.
Stark gefährdet wären die Meiler in Brunsbüttel, Biblis A, Philippsburg 1 und Isar 1.
Aber auch Biblis B, Unterweser, Neckerwestheim 1, Grundremmingen B und C und das Kernkraftwerk Krümmel.
Ihre Stahlbetonhüllen halten halten einem gezielten Angriff mit einem großen Verkehrsflugzeug wahrscheinlich nicht Stand. Die Auswirkung nicht beherrschbar.