(23)ZDF「大いなるこけおどしー原発政策の間違った約束」19。検証1最終処分場

今回はベルリンから、原発運転期間延長に反対する政治家の声明から始まります。
暑かった夏が終わりを迎えているように、このフィルムも次回で終わります。
前回約束した検証を開始したいと思います。

フィルムスタート40分19秒から41分43秒/43分54秒


(ナレーション)
ベルリン。
企業家の人たち、環境保護の人たち、そして政治家の人たちが再生エネルギーを支持して共同でデモをしている。
原発の運転期間延長に反対して抗議している。政府の未来に敵対する原発産業の顧客政治を非難する、反対理由を支持して。
(シグマ・ガブリエール SPD党首)
気候変動政治が問題であるのではない。4つの電力巨大企業の経済的利益独占と、多くの中堅企業を粉砕する情け容赦のない貫徹が問題なのだ。
(ズィルビア 緑の党連邦議員)
原発運転期間の延長は気候変動を守るために悪い。再生エネルギーの拡大のために悪い。自立したエネルギー供給のために悪い。適正な競争のために悪い。ただ巨大電力企業の懐にだけ良い。
(ナレーション)
ヨセフ・ゲッペル連邦議員は対立を恐れていない。彼の属するキリスト社会同盟は政権政党である。
しかしながら彼は、黒と黄色の連立政権の原発政策を無責任であると考えている。
彼はごく少数の政権政党議員の1人として、原発運転期間延長法案には反対の意思である。
(ヨセフ)
私たちは再生エネルギーで100%の電力供給と、資源のより効率的な利用が必要である。そこへ到達することが。
信じるに足りる未来像を持った政府のみが選ばれる。
政府のこのような後ろ向きの戦いでは、政権を失うだろう。


<前回は安易に私の確信を具体的にコメントすると述べたわけですが、よく考えて見ると、現在日本に襲い掛かっている問題を一つ一つ、ドイツからの英知を通して検証していくことに他なりません。
もちろん私が検証したところで、1億分の1の力しかないかも知れませんが、ブログを読んでくださる人たちが、私の検証の同意できる部分を利用し、広めてくだされば大きな力になる筈です。
そうすれば最終的に公共放送NHKの検証を引き出すことも可能であり、政治も従うしかないでしょう。
まだフィルムはあと1回残っているのですが、フィルムに関するコメントは殆どないことから、今日から検証を開始したいと思います。
少し慌てているのは、娘が週末から火打山に登りにくることから、暇なうちに開始しておきたいと思ったからです。
それから毎回私のブログを読んでくださる Lunachan 335のブログで、前回書いた森田実さんのお元気な活躍を読めたことを感謝します。>


検証1、日本で原発廃棄物の最終処分場を見つけることは可能か。

最終処分場候補地のゴアレーベンは、フィルムで長年に渡って政府調査に参加してきた地質学者のシュナイダーが、岩塩層は多くの地点で粘土層に覆われておらず、事実一部で浸水が生じていることを明らかにしている。
また実際に使用され安全であると明言されてきた二つの放射線廃棄物処理場も、僅か数十年の使用で地下水の浸入を招き、まったく使いものにならない。
一つはザクセンアンハルト州の岩塩抗モアスレーベンであり、旧東ドイツ原発廃棄物処分場として70年代より使用され、統一後もドイツ唯一の最終処分場として1998年までに3万7000立法メートルの原発廃棄物を運び入れてきたが、壁が崩落し地下水が侵入していることから、2009年10月に閉鎖が決定された。
巨大な地下500メートルの岩塩鉱山の坑道は数キロメーターにも拡がっており、原発廃棄物ごとコンクリートで固められる。
しかし原発廃棄物は一〇〇万年に渡って放射し続けることから、近隣住民だけでなく州環境省も安全性を危惧している。(ZDF Nachrichtung 23.10.2009)
もう一つはニーダーザクセン州の岩塩層アッセ貯蔵場であり、カールスルーエ原子力研究所の1960年代から1978年までの研究目的低中レベルの核廃棄物12万6000のドラム缶が、岩塩層地下750メートルほどに放り込まれてきた。
しかし最近地下水を一部汚染していることが問題視され、岩塩層坑道近くには毎日1万2000リットルの地下水が発生しており、10年以内に坑道が崩壊する危険性があるという専門家の指摘を受けて、環境省連邦放射線防護局(Bfs)は2010年1月にドラム缶の回収を決定した。(Bfs Pressmitteilungen 15.01.2010)
その上アッセ周辺では、2002年から2009年の白血病及び甲状腺癌の発生率が急上昇している。(ZDF Nachrichtung 04.12.2010) 
しかもこのような回収移転費用には、最大数兆がかかると言われており、全て国民の税金から支出されなければならない。

ドイツは殆ど地震がないことから地層が安定に保たれ、粘土層に覆われている。
その証拠にニュルンベルク近郊では、少し掘るだけで粘土層となるため、至るところで鯉の養殖池に利用されている。
もっとも粘土層で覆われていることから、浸透性がなく道路で凍結防止の塩カルを撒くと、数キロ先の森が枯れることも90年代のドイツでは珍しいことでなかった。
そのような地質に恵まれたドイツの最も安全と言われた3つの岩塩層処分場が、浸水で使いものにならないことから、多くの専門家は安全な最終処分場など見つけることができないと明言している。
このようなドイツの検証を受けて、公共放送NHKは日本の最終処分場の徹底検証をすべきであり、公共放送の義務である。

私の考えでは、日本のような浸透性の著しく良い地層では絶対にあり得ないと考えている。
しかし万一岩塩層が粘土層で完全に覆われた安全な場所が見つかったとしても、日本のような活断層が至るところに見られる地震大国では、1万年はおろか数百年で大きな地層変化が起きることから、安全性の確保は不可能である。
それが、私のドイツから学んだ確信である。



(Narration)
Berlin.
Gemeinsam demonstrieren Unternehmer, Umweltschützer und Politiker für erneuerbare Energien.
Protestieren gegen die Laufzeitverlängerung von Atomkraftwerken.
Für die Opposition Anlass, der Regierung zukunftsfeindliche Klientelpolitik vorzuwerfen.
(Sigmer Gabriel)
Es geht nicht um Klimapolitik. Es geht um das brutale Durchsetzen, wirtschaftlicher Interessen von vier Konzernen und das Niederbügeln vilermittelständischen Unternehmen.
(Szlvia)
Laufzeitlängerungen sind schlecht für den Klimaschutz, schrecht für den Ausbau der Erneuerbaren Energien, schrecht für eine unabhängige Stromversorgung, schrecht für den Wettbewerb.
Sie sind nur gut für die Taschen der Konzerne.
(Naration)
Josef Göppel zählt nicht zur Opposition.
Seine CSU ist Regierungpatei.
Dennoch hält er den Atomkurs von Schwarz-Gerb für unverantwortlich.
Als einer der wenigen Unionsabgeordneten will er ein Gesetz zur Laufzeit-Verlängerung nicht mittragen.
(Josef)
Wir brauchen eine Vision für eine Vollversorgung mit erneuerbaren Energien und mit effizienterer Nutzung von Rohstoffen. Darauf kommt es an.
Gewählt wird eine Regierung nur mit einer glaubwürdigen Vision.
Aber nicht mit Schlachten von gestern.