(338)時代の終わりに(22)・人類が生き残るための気候変動という転轍(4崩壊点を超え北極が熱帯に変わるとき)・二つの朝鮮が緩和を求るとき

今回の『気候が壊れるとき5−4』では地球温暖化が現在のようなスピードで進むと、研究者等はそこからは最早止めることができない崩壊点に達すると警告している。
フィルムではそのような前兆が山積みされていることを指摘し、数年前まで4倍を超えていたカモメの群れが13羽に激減し、最早滅びるしかない状態に来ていると鯨研究学者ハイケ・フォスターは述べている。
その原因は、カモメが餌とする魚が激減したからであり、気候変動による異常気象で褐藻類が死滅し、プランクトン、小魚という食物連鎖を司どる生態系が壊れたからに他ならない。
そのような恐るべき事実を受け取り始めたのが「パリ協定」以降の世界であり、最早水没の危機に現在晒されている国々だけでなく、世界のほとんどの国が危機を深刻に共有している。
まさにそれは、気候変動の異常気象による干魃や洪水が頻発する事実からだけでなく、これまで抑えられて来た研究報告が目白押しになって来ているからである。
例えば2016年5月26日「ナショナル ジオグラフィック」ニュースでは、「・・北極が熱帯に」のタイトルで気候変動特集を組み、もしこのまま化石燃料を使い続ければ、温暖化によって極地の氷が解け、「大地がむき出しになって極地地方の熱吸収が活発化し、それがさらなる温暖化を促すだろう」と指摘している。
また、「(愚かな人類は)石油の最後の一滴、石炭の最後のひとかけらが消費されるまで続くだろう」と悲観的に述べるカナダの研究者たちの論文を紹介し、大気中には5兆トンの炭素が増加し、北極の平均気温は17℃も上昇すると報告している。
さらに、「このまま気温が上昇すれば、アラスカにヤシの木が繁り、北極でワニが泳いでいた5600万〜5200万年前の始新世初期の気候に近い状況になるだろう」と述べている。

既に世界の潮流は、このような悲観的な事実や報告に真摯に耳を傾けている。
それにもかかわらず日本の指針は世界の潮流に逆行し、未だに原発推進、石炭火力推進で未来の展望を開こうとしている。
余りにも愚かすぎる日本の指針は、「(結果的に)エイズ混入血液製剤使用もやもうえない」とした官僚支配による利権構造から来るものであり、最近の大企業の相次ぐ不正に見られるようにどうにも止まらなく、再び戦前の破局へと向かわせているように見える。
(それを正すには、再三再四このブログで述べているように、戦後のドイツのように司法を法務省から完全に独立させる以外にない)。

明るいニュースとしては下に載せた1月9日のZDFLogo!が伝えるように、北朝鮮と韓国の緩和が開始されたことにある。
日本では今回の韓国の緩和は寧ろ非難されているが、もし万一アメリカが北朝鮮の核基地破壊に踏切れば、(既に述べているように)北朝鮮の報復は日本に向けられる公算が高いと危惧している。
それ故に安堵し、思わず学生の頃口ずさんだ「イムジン河」の歌が心に鳴り響いていた。

イムジン河水清く とうとうと流る    
水鳥自由に 群がり飛び交うよ  
我が祖国 南の地 想いははるか  
イムジン河水清く とうとうと流る 

北の大地から 南の空へ  
飛び行く鳥よ 自由の使者よ  
誰が祖国を 二つに分けてしまったの  
誰が祖国を 分けてしまったの