(296)世界の官僚奉仕を求めて第6回革命的NHK原子力政策議論こそが未来への希望を映し出す(『ロシアのドーピング秘密6−6』)

最終回のフィルムラストでは、ユリア夫婦は子供の将来を含めて希望ある公正な未来を希求して、ロシアからの亡命を選択します。
それは現在のロシアでは前回フィルム(6−5)の終わりで描かれたように、内部告発者多くが自動車事故で不慮の死に遭遇したり、自ら命を絶つ自殺に追い込まれる実情があるからに他なりません。
それは日本、さらには官僚支配の先進国でも程度の差こそあれ同じであり、官僚支配にとって都合の悪い内部告発者が保護されておらず、少なくとも嫌がらせなどの制裁を覚悟しなくてはなりません(それは違法スレスレの嫌がらせの制裁が敢えて容認されているからです)。
しかし黙って見過ごして行けば益々服従を強いられ、自由と公正を掲げる社会が何時の間にか全体主義社会へと造り変えられて行くことも確かでしょう。

そのようなことが世界のあらゆる国際機関でも見られるようになって来ており、このまま容認されていけば、世界の終わりも近いと言えるでしょう。
何故なら世界の原発エネルギー政策を見ても、半世紀の探求にもかかわらず溢れ出している核廃棄物の永久処分場さえ見つからず、お金さえ出せば濃縮ウランやプルトニウムさえ闇ルートで売買されかねない世界になりつつあるからです。
それは現在の北朝鮮の核保有、核実験の暴挙を許すだけでなく、残忍なテロ国家イスラム国の核保有さえ時間の問題と言えるからです。
そこには、結果的に武器輸出や軍拡産業の肥大が闇ルートを容認する官僚支配の仕組みがあると言えるでしょう。

話をオリンピックに戻せば、日本オリンピック委員会JOCは問題のBlack Tidingsへの2億3000億の振込調査で不正はなかったと、9月1日に報告書を公表しました。
既にARDフィルムを見ても、Black Tidingsが単に国際陸連元会長息子の関与するペーパーカンパニーであるだけでなく、ロシアドーピング不正工作に利用されていたことから、国際オリンピック委員会IOCの関与も明白であり、それゆえに世界アンチドーピング機関WADAの国家ぐるみのロシアドーピング違反によるリオ参加停止勧告にもかかわらず、停止決議を見送り、各国際競技連盟に委ねたと言えるでしょう。
それは責任放棄だけでなく、IOC組織自体が金権で官僚支配されていることを示唆しています。
そうした中で、ARD放映後動き出した仏捜査当局への聞取り調査もなく、JOC幹部の聞取り調査だけで「不正なし」は、余りにも国民を馬鹿にした報告と言わざるを得ません。
そのような余りにも国民を馬鹿にした「不正なし」がそのまま通るとすれば、前回述べたように最後の命運以前に、もはや日本の未来はないと言えるでしょう。

革命的NHK原子力政策議論こそが未来への希望を映し出す
既にブログ(285)で述べたようにNHK政治部の記者報道は、意ある識者が指摘しているように、まるで安倍政権直属機関の記者でもあるかのように、集団自衛権憲法解釈変更では安倍政権の主張が一方的に代弁されています。
しかも安倍政権では昨年末、戦後放送の自由を目的とした「放送法」の第4条「事実を曲げない」という言葉を勝手に独自解釈して、どのような政府批判もその条項に抵触すると、まるで大本営が復活したかのように高市総務省大臣が国会で明言しています。
そして国民に愛された国谷裕子キャスター降板で、「クローズアップ現代」の放送が4月から夜7時半から10時になるだけでなく、社会的問題を追求するものが激減して行き、戦前のように国家放送へと絡め取られていく予感が、私の胸の内で益々大きくなっていました。

しかし今回8月26日に放送したNHK解説委員の討論番組「解説スタジアム」の「どこに向かう 日本の原子力政策」は、6人の解説委員が取材分野及び主張を字幕で一言で紹介し、全員が忌憚なく理詰めで現在の政府の原子力政策を批判し、全体として「原発再稼働反対」の姿勢が議論で打出されて行きました。
そして最後に司会役の解説委員長西川吉郎が「安全神話は完全に否定されて、原発が事故を起こすと如何に手に負えないかということを知ることになりました」と明言し、現在の政府の原子力政策の問題点を批判的に総括したことは画期的でした。
それは編集改ざんのないガラス張りに開かれた生放送の議論であり、討論者全員に本来の「放送法」の自由な議論と批判を連帯して守ろうとする強い意思が感じられ、革命的でした。
また番組途中での生の視聴者アンケートでも、視聴者の7割近くが原発再稼働に反対であることを示したことは、眠れる国民の大きな力、そして未来への希望が感じられました(動画は下のアドレスで見られます)。
https://www.youtube.com/watch?v=pv3pH9e2RpU
http://www.dailymotion.com/video/x4qnvxc

新刊のお知らせ
8月末発行の『ドイツから学ぶ「官僚支配から官僚奉仕」・・日本の民主的革命』は予定が遅くなり、今週印刷が完了し、来週には地湧社から発行されるとのことです。

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