2013-01-01から1年間の記事一覧
〈映画について書き出すと、ドイツからの情報が疎かとなるため、下にアールタークドイツのコーナーを設けました〉ドイツ映画の巨人ミヒャエル・ハネケは、「映画が気晴らしの娯楽とするなら、私の映画は無意味です。私の映画を嫌う人々は何故嫌うのか、自問…
この映画は「産業革命以来の最大の経済構造変化が我々の目の前にある」と主張し、化石燃料エネルギー(ウランによる原発を含)から太陽光エネルギーへの転換を求め続けたドイツの巨人ヘルマン・シェアーの思想に基づいて制作されており、彼自身も出演してい…
http://u3w.jp/archives/2502(「大貫康雄の伝える世界・第10回ドイツから学ぼう編」が一般公開されました。9分から45分まで、日本もドイツのように国民に奉仕する社会にならなくてはならないことを、終始主張しました) アベノミクスは国益と称して、…
2008年のドイツ金融デフォルトが引き起こしたものは、これまで成長戦略を掲げてきた新自由主義への不信であった。 その結果2009年の連邦選挙では、2003年から新自由主義行動計画「アジェンダ2010」を推し進めてきた社会民主同盟(SPD)の…
既に述べたように、日本デフォルトは2018年までに起きるとするドイツ有力紙の予想を、私自身も前回述べたように現実味のあるものと考えはじめている。 しかしそれは伏線でもあり、日本が現在のギャンブル資本主義とも呼ぶべき新自由主義の侵食で人間が蝕…
現在の日本をもう一つの視点から見れば、新自由主義という巨大な欲望の潮流のなかでカジノバブルの如きアベノミクスが、政、官、財、そしてメディアの強力な後押しの下に推し進められている。 それは次の脱皮のために、一握りの蛹たちが今ある全て可能なもの…
アベノミクスの骨太の方針が6月13日に公表され、過大に宣伝されていた成長戦略が出尽くした。 それは総花的で新鮮味に欠けるものであり、結局は、さらなる法人税減税、国家戦略特区(免税)、TPP参加(免税)などの企業税負担軽減と、社会保障費の効率…
6月4日の南ドイツ新聞は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」というタイトルで、福島原発事故2年後の日本の原発政策への帰還を批判していた(注1)。 記事では、福島県の安全地域と評価された地域の子供たちが高い割合で甲状腺に結節が観察されたことが述…
安部首相の河野談話への発言や、橋下日本維新の会共同代表の従軍慰安婦を巡る発言、さらには憲法96条改正の要請に、ファシズムの忍び寄る足音を聞かずにはいられない。 既に戦後国家に民主主義への奉仕を求めた教育は、安部第一次政権の教育基本法改正で理…
私自身ドイツで暮らしていた4年間を除き、この30年間コメ作りなどの農的暮らしを実践している。 昨日半反(150坪)ほどの田植えを3分の1ほどしたが、腰をかがめて一苗一苗植えていく作業は年々大変となってきている。 しかし山の遅い春のそよ風のな…
産業戦略会議では“攻めの農業”とか、“農業を成長分野へ位置付ける”と言った議論がなされている。 しかしこの十数年日本は、絶えず農業者の高齢化克服と穀物自給拡大を莫大な助成金のバラマキで求めてきたが、前に進むどころか後退し続けている。 特に農業者…
今回の安部首相の中東外交で、4基の日本企業の受注がなされたトルコとの政府間合意がなされただけでなく、サウジアラビアやアラブ首長国連邦で原子力協定が結ばれた。 それは、世界の市民が福島原発事故後に脱原発を希求し、国内においては事故の検証もされ…
安部首相の憲法96条改正を求める宣言で、日本中が護憲か改憲で沸き立ち始めている。 安倍晋三は若くして自民党幹事長になった際、日本の新重商主義を強調し、それを守るためには軍隊が必要であるという発言をしたことを思い出す。 そして安部第一次政権で…
アベノミックスの成長戦略は6月の公式策定を目指し、産業競争会議で検討作成されているが、会議のメンバーからして新自由主義色が強く、攻めの農業政策でもまったく戦略的裏付けや展望も見られないように、これまでの7回の議会では抜本的な戦略転換と具体…
日本では日銀による金融緩和宣言で、2割超える円安を通して瀕死の貿易産業が息を吹き返すだけでなく、一時的にしろ景気の風が吹き始めている。 しかも日本のメディアはネガティブな現実や都合の悪い事実を追求しないことから、アベノミックスによって希望的…
ドイツの放射性廃棄物最終処分場ゴアレーベンの白紙撤回が、今月4月9日に公式に報道された。 下に私が字幕を付したZDFフィルムの一部を載せておくが、長い長い戦いを経て振り出しに戻ったといえよう。4月9日のシュピーゲル誌オンラインは、「連邦と州…
ドイツの中道右派と称される有力日刊紙「ディ・ヴェルト」は、福島原発事故後2年直前の3月7日の「原子力カタストロフ」という記事で、日本は除染や住民の健康など様々な問題が噴出し、何も解決されていないにもかかわらず、安部新政権の参議院選挙後原発…
現在の日本は景気だけに限って見れば、インフレターゲットを掲げる安部政権の誕生による急速な円安で、輸出企業が息を吹き返し、株価の高騰で80年代のバブル期初期の高揚感さえ感じられ、内外の多くのメディアは不沈日本丸復活にエールを送っている。 しか…
映画『サクリファイス』は下の動画(字幕なし完全版)で見るように、バッハのマタイ受難曲がこの映画を暗示するように流れ始め、レオナルド・ダ・ビンチ作「東方の三賢人の礼拝」絵の幼な児キリストにお辞儀する賢人がクローズアップされ、制作スタッフの字…
この映画は冒頭で「子どもが子どもであった頃、」で始まり、下の予告編が映し出すように(ベルリンのツォー駅の戦争で廃墟と化したカイザー・ヴィルヘルム教会の屋根から)、主人公は人々を優しく見守る天使ダミエルである。 天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ…
映画『チャイナ・シンドローム』が1979年3月16日に公開され、炉心溶融事故を警鐘した僅か12日後に、スリーマイル島事故が世界を震撼させたのは偶然の一致だったのだろうか?この映画を今見ると、原発管理者側は制御室技師チーフのジャック(ジャッ…
1951年の『西鶴一代女』、『雨月物語』(52)、『山椒大夫』(53)とヴェネチア映画祭で前人未到の三年連続国際賞を受賞した溝口映画は、その作品の時代を超えるモダニズムから、今も世界で絶賛されている。 『雨月物語』では、ラストで決定的な取り返しの付…
木下恵介映画が最近日本でリバイバルとして人気をはくし、今年のベルリン国際映画祭でも11作品が上映された(注1)。 特に人気が高いのは1954年制作の『二十四の瞳』であり(2月2日と2月22日に上映)、「“何も言わない”庶民の苦しみ(das stumme…
1955年黒澤明が『生きものの記録』を世に出したとき、黒澤は「世界で唯一の原爆の洗礼を受けた日本として、どこの国より早く、率先してこういう映画を作るということは、当然だれかがやるべきだ」と述べている。 この前年ビキニ環礁で水爆実験が強行され…
2006年に公開されたドイツ映画『みえない雲』は、1986年のチェルノブイリ原発大事故(スーパーガウ)を受けて児童作家グードルン・パウゼヴァングが書いた小説の映画化である。 この映画はドイツのような先進国でスーパーガウが起きるとき、どのよう…
昨年の生活保護不正受給以降マスメディアを通して生活保護者バッシングが拡がって行き、自民党は「生活保護給付水準一割削減」を掲げ、政府は先週今後三年で8,3パーセントの削減を決定した。 その大きな理由は、国民年金だけに依存する人たちよりも受給額…
日本の財政破綻が足音を立てて近づいてきている。 最早バブル崩壊前の時のように真実性を帯てきており、公共放送NHKでさえ財政破綻を警鐘する番組を頻繁に放映し始めている。 1月22日、29日の2回に渡るオイコノミア「僕らがつけを払う・のか!」の…
アルジェリア人質事件が世界を震撼させている。 多くの多国籍の人たちが人質にされているなかで人道措置が配慮されず、有無を言わさず強行攻撃なされたことに、世界は驚愕し怒っている。 確かにテロリストの要求や身代金支払いを受け入れれば、前例となりま…
大阪市の高校での体罰による生徒自殺が日本中を駆け回っている。 教育評論家尾木直樹が週刊NHKニュース深読みで述べるように、体罰などの問題で教育委員会は現場の高校校長に丸投げであり、校長は競争原理の成功者である当事者教師に丸投げであり、当事者教…
1月3日のニューヨークタイムズは安部首相の旧日本軍による慰安婦の強制性を認めた「河野談話」見直しを、「日本の歴史を否定する新たな試み」(Another Attemptto to Deny Japan’s History)というタイトルで戦争犯罪を否定する重大な過ちであり、恥ずべき衝…